山一醤油の[あけがらし]

長井からのお取り寄せには目がない、ふるさと長井会会員のハスミです。職業柄、思い入れの激しいものは、くどめにアピールしてしまう習性がありますのでご了承を。記念すべき第1回目にご紹介するのは、長井が全国に誇るべき無添加発酵食品「あけがらし」です。
ちなみに、私がナニ者かは「長井を応援するひと」に掲載されています。よろしかったら見てくださいね。
取材・文・撮影/蓮見 則子(ふるさと長井会会員)

ここまで全国区になった長井の特産品は他にない!?

私が「あけがらし」の存在を知ったのは、あろうことかわずか数年前。人に贈り物をする際、何か生まれ故郷 長井産のものでも…と、ネットを徘徊していたときのことでした。

その地味なお姿であちこちにでてくる瓶詰め。あけがらし、山一醤油…なんか聞いたことあるなー。調味料か何かかなー。でも、山形のものは得てしてしょっぱそうだから、これはパスだな。

と、あっけなくスルーしてしまってました💦

後から考えれば、あけがらしが発売されたのは1995年だそうで。この時もはや全国区。何度かのブレイクを経て落ち着きを見せていた頃です。

それから数カ月して、高校の同級生のLINEグループの中で「一弥くんちのあけがらし、芸能人のファンも多く…云々」というメッセージを発見!

おおおー。 なんか聞いたことあると思った山一醤油は、小中高と一緒だった齋藤一弥くんの実家で、彼は長男だわーとようやく気づくことに。

改めて山一醤油のホームページを見てみると、まだPCが一般的でなかった90年代を彷彿とさせるめっぽう見づらい 、とても懐かしい感じのビジュアルが広がっておりました。

九代目当主 齋藤弥助

なるほど、この名前こそ一弥くん💡 懐かしさがこみあげます。

そして、化石のようなホームページながら(しつこいw)オンラインショップもある! これは取り寄せてみなければならーん!と、即、商品をポチってみました。

すると、数日後に「すずのり〜〜?」と(高校までの私のあだ名)、聞き慣れた声で電話が! 九代目当主さんからでありました。懐かしいからと電話をくれた様子です。声、変わらず若々しいこと。

他のサイトでも扱ってたけど、売り切れになってるのもあることを伝えると「もともと家族で作れる分だけしか出荷しないんだもん。儲けを考えているわけじゃないし、うちはそれでいいんだ〜」って。ナットクです。

初めて食べるのにしみじみする♡ 体にもココロにもやさしい味

そんなこんなで、世間話をちらっとしたりして(長年あけがらしを知らなかったことは伏せておき)、無事に最初のあけがらしが到着しました💨

↑これはいつかのお取り寄せ。単品は白い紙袋で丁寧に個包装されています。右のブルーの小洒落た和紙の箱は2個セット。赤い紙袋もつけてもらえます。直接のお取り寄せならではの気が利いたサービス!

こう見えて、我が家の醤油や味噌、塩などの調味料は、ほぼ無添加のもの。食塩や白砂糖など精製された製品は使っていないのです。

長年そんな生活をしていると舌が不健康な食べ物に反応するというか、後味が悪いのですぐわかってしまう。その点、あけがらしさんは、最初に口に入れた瞬間に「あぁ、自然の味がする〜」としみじみしてしまいました。

そのとき初めて食べたあけがらし。麹味噌のようだけど、甘辛くてちょっとピリ辛。動物性のものは入っていないのに、なんという豊かなコクでしょう💫

醤油と米麹を原料に、和がらしと三温糖を合わせて発酵、麻の実を炒って熟成させる。ってことは分類で言えば、発酵食品。

江戸時代から、山一醤油の家族だけが食べてきた「秘味」なのだそうで、その製法は当然門外不出。代々女性たちの手で守り継がれてきたとのこと。

当主の結婚式の晩だけにつくられていた…なーんて聞くと、なんだか時代劇のヒメゴトシーンを連想させるようでゾワゾワしてしまいます。

↑時系列バラバラですが、これはつい最近、長井に行った際に山一醤油に寄ったときのもの。左が一弥くんこと当主 弥助氏、右が奥サマ、真ん中は私、ハスミです。

黒く小さな麻の実が時々カリッと口の中ではじける絶妙の香ばしさ。このアクセントが心地よく、いちいち「また麻の実、来いっ」と期待して口に入れるのが楽しい♫

あ、これでも私、ヘンプシードマイスター(という資格があるの!)なんでした。ヘンプシードは麻の実のことで、健康オタクなら絶対知っているスーパーフード。

じわじわとハスミ家に登場回数が増え、もはや「なくてはならないもの」になってきたあけがらしさん。普通は白いあったかごはんに乗せて食べるのが定番でしょうけど、これは何にでもマッチする万能調味料。うちでは何のタブーもなく使っています。

あけがらしとエキストラバージンオリーブオイルがあれば、なんでも美味しくなっちゃうから不思議。アボカドにあけがらし…というのはネット上でけっこう見かけますが、たぶん、オイル分との相性がいいのだと思います。

そして、開封してから日が経つごとに見た目なめらかに、味がまろやかになっていくのも面白い。私はどっちも好きです💙

恥ずかしながらハスミ家の食べ方例をご紹介しますと、こんな感じ。

↑上:左から右におかひじき(いつも買うのは置賜産です)のあけがらし和え。冷や奴にもあけがらし。納豆にクレソンの茎とオリーブオイルとあけがらし。オクラにもあけがらし&オリーブオイルを回しかけて。下:左から、鶏肉・ゴーヤなどのあけがらし炒め。大葉で和っぽくしたカプレーゼにもあけがらし。あけがらしON山芋とベーコンの鶏肉巻き。アボカドにクリームチーズとあけがらしのっけ/すべてBy オット(ハスミ家の調理担当はオットなのです)。

てなわけで、食べれば食べるほどヤミツキになっています。

ある時「おいしい山形プラザ」(銀座に行ったら寄るのがルーティンの山形県アンテナショップ)で、あけがらしが置いてあるのを発見し、何度か買ったりもしましたが、なにせ売り切れていることが多くて期待薄。

しかも瓶のまま冷蔵コーナーに並んでいます。あの奥ゆかしい紙袋に包まれたお姿は、お取り寄せでないとお目にかかれません。人に贈ったりするときはダンゼン直接のお取り寄せがいいと思います☝️

↑お取り寄せすると、一つ一つ小さな白い紙袋で丁寧に包装され、中には昔ながらの説明書きが折りたたまれて入っています。フタを覆う紙の裏にまで情報満載です。捨てちゃダメですよー。

ほっこりほのぼの、機会があれば当主に会いに山一醤油へ

元々は、90年代に当主がPCのオフ会で知り合った料理の達人に見初められ、京都の料亭で初めて使われたという、異色のデビューストーリーを持つあけがらし。

その後、料理雑誌などで紹介され、さらには有名人がテレビなどのメディアで紹介してくれていました。桑田佳祐さん、氷川きよしさん、さんまさん&キムタクさん、料理人の栗原はるみさん(自身のWebショップでも販売されています)などですが、そのたびにブレイクしていた模様です。

JAL国内線ファーストクラス機内食 (京都下鴨茶寮)にも採用されており、今さらながらこれ、かなりすごいことでは〜?と思ってしまうのでした。

先日も、俳優・タレントの六角精児さんがラジオの取材で訪れたそうで。何度目かの訪問という六角さんとは、とても気が合うらしい当主。

それ、私でもわかります。

存在自体は個性的でキョーレツに印象に残るけれど、自然体でふんわりしている。話をしていても無理がなくて癒される。そんなところ、二人に共通してるのだろうなぁと思いました。現に今年還暦を迎えた当主は、六角さんと「カンレキの心得」についておおいに盛り上がったそうです。

さて。お取り寄せの話に戻りますと。

山一醤油からは、無添加のお味噌もお取り寄せしてました。これまた昔懐かしいお味噌でして、涙がちょちょぎれそうになりましたとも〜。

↑天然醸造味噌は江戸時代から伝わる大杉桶で仕込まれています。冬に送ってもらったら、ちょこんと紅玉のジャムが入っていました。秋から冬にお取り寄せすると毎年オマケでつけているんですって。これを狙って秋冬に頼む人も多そうです。

今年、数年ぶりに長井に帰った私は、山一醤油に寄ってみました。創業1789(寛政元)年という歴史のある建物は、国の登録有形文化財です。

昔のまま、屋内の中に川が流れているんですよ! 見学もできます。懐かしい味噌醤油の香りに癒されるのはもちろん、ご夫婦二人で切り盛りする様子にほっこりしてしまうこと間違いなしです。

↑タイムスリップしたかのような、昔のままの山一醤油。右上は帰りにいただいた奥サマ手作りの「シソ巻き」。これがあまりに美味しく、カンドーもの。つぶ味噌に胡麻などが入っていて、庭で採れた大葉を使ってるそう。あー、これは365日食べたい!

長年知らずにいた私が言うのもなんですが、まだあけがらしを食べたことがない方がいたら、ぜひ今すぐお取り寄せしてみてくださいね。

商品名
あけがらし/山一醤油
価格
単品680円(140g)
和紙箱2個入1,600円
和紙箱3個入2,200円(すべて税抜き価格です)
販売期間
通年
購入できるサイト

山一醤油:https://akegarashi.jp/

*検索すると、Amazonをはじめさまざまなサイトでも販売されていますが、直販ではないため価格は概ね高いようです。
実店舗では長井の山一醤油ではもちろん、全国のさまざまなところで取り扱いされています。2023年10月現在、銀座の山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」で販売されているのをハスミ確認済み。ただし売り切れていること多し!